こどもの矯正歯科

昔に比べて、最近の子供は歯並びが悪いと話す歯科医師は多いです。その理由の一つに、顎の骨の大きさが挙げられます。現代の子供は昔の子供と比べて顎が小さいと言われています。顎の成長には、咀嚼による刺激が欠かせません。しかし、、食生活の変化からハンバーガーなど柔らかい食事を取る機会が増え、顎に適切な刺激が行かず、成長が促されないケースが増えています。

一方、栄養価の高い食事を取る機会が多いため、歯そのものは大きくなっている傾向があります。つまり、狭い顎に大きな歯を並べることになります。イメージとしては、3人掛けのベンチに4人が座ろうとしているようなものです。これでは、歯並びが悪くなるのは当然です。

また、日常の癖（悪癖）が歯並びを悪くする原因になることもあります。具体的には、口呼吸や頬杖をつくなどです。当院ではこれらを解消するために、「プレオルソ」「床矯正」「マルチファミリー」「MFT」による治療を行っています。それぞれご紹介ます。

 

「プレオルソ」は子供向けのマウスピース型矯正装置です。大人の矯正装置と異なるのは、歯そのものを動かすのではなく、お口周りの筋肉の機能を改善し、歯並びが悪くなる根本的な原因にアプローチします。

歯並びは、舌、頬、唇などの筋肉のバランスが取れて入ると、自然と理想的な歯並びになります。反対に、これらのバランスが悪いと、ガタガタな歯並びになってしまいます。そのため、当院では、プレオルソによる治療を行っています。その他、プレオルソには次の特徴があります。

床矯正は入れ歯と同じような装置で、プレオルソと同様に取り外しができます。右の画像の真ん中にある、ネジを巻いて少しずつ顎の骨を広げていきます。自分で取り外しができるため、お口のケアもしやすく、お子さんの負担も少ないです。

また、次のようなメリットもあります。

・非抜歯で矯正できる可能性が高い（ケースによっては抜歯になることがあります）
・ワイヤー矯正よりも見た目が気にならない

「マルチファミリー」はマウスピース型矯正装置の一種です。5歳頃～13歳頃のお子さんに適用されます。治療の仕組みは、前述したプレオルソと同様で、日中の「2時間」と「就寝時」のみで、お口周りの筋肉にアプローチし、自然に歯並びが整うよう誘導していきます。

お子さんが前歯を舌で押す、舌が歯茎の隙間から見えるといった癖がある場合、注意が必要です。これらは「舌癖（ぜつへき）」と呼ばれ、そのままにしておくと、「下顎前突（受け口）」や「上顎前突（出っ歯）」、「開咬（上下の歯が接触しない）」などにつながる可能性があります。

このような悪癖を改善するためのアプローチが「MFT」です。舌や唇、顔面の筋肉を含む口周りの筋肉を鍛え、そのバランスを正しく保つことでお口周りの機能を促進します。

 

子供の矯正は歯の成長を促しながら行うため、歯を並べるスペースを確保することができます。そのため、非抜歯で矯正を行える可能性が高いです。

歯並びの問題は、成長に伴い子供の心理面にも影響を及ぼします。特に多感な思春期になると、人前で話すことに恥ずかしさを感じたり、周囲の心無い言葉に傷ついたりすることも少なくありません。

早い時期に矯正治療を行うことで、心理的にも好影響を与え、コンプレックスを克服することにつながります。

歯並びが悪いと磨き残しが多くなってしまいます。そのため、虫歯や歯周病になるリスクが高くなります。

歯並びは顔の外見（顔の形）にも大きく影響します。 特に、出っ歯や受け口などの症状は矯正することで、顔の印象も同時に改善されることが多いです。結果として、より魅力的な「かっこいい」や「かわいい」顔立ちに変わる可能性もあります。