親知らずの抜歯／口腔外科

親知らずの抜歯は歯科治療の一種ですが、水平埋伏（横に生えている場合）などの「難症例」は、どこの歯科院でも対応しているわけではなく、大学病院へ紹介されるケースが多いです。

なぜなら、治療に伴うリスク（出血／神経麻痺）が大きいためです。
しかし当院には、口腔外科のドクターが在籍しているため、難症例でも安全な処置ができる環境が整っています。
大学病院への紹介では予約が取りづらく、待ち時間が長くなることがあります。そのため、まずは口腔外科医が在籍する歯科医院で受診することをお勧めします。

難症例でも可能な限りリスクを低減して治療を行うための当院の体制についてご紹介します。

正確な診断を可能にする「CT撮影」

通常は「2次元」で撮影するレントゲンを使用して診断を行いますが、当院では「3次元」での撮影が可能なCTを用いてより詳細な診断を行います。
2次元と3次元では「見える範囲」が異なります。
下の画像は他の治療のケースですが、同じ部位を3次元レントゲン（左）、2次元のCT（右）で撮影したものです。
丸がついている部分が問題の生じている部分で、3次元ではしっかり黒い影が見えますが、2次元ではそれが確認できません。

簡単にまとめると、2次元レントゲンだけでは「問題が見落とされる」可能性があるということです。
歯科医療では、「見える」「見えない」が大きな違いを生みます。
当院では、しっかりとした視野を提供する3次元のCT装置を使って診断を行っています。

麻酔効果が長期間／広範囲に及ぶ「伝達麻酔」

口内の奥の方は麻酔が効きにくいと一般的に言われています。そのため、標準的な治療で用いる麻酔（浸透麻酔）だけでは痛みを感じやすいことがあります。

そこで、当院では浸透麻酔に加えて、「伝達麻酔」を使用することで、治療の痛みを軽減しています。伝達麻酔は、その効果が広範囲に及び、持続時間も長いため、患者さんも安心して治療を受けることができます。

痛みや腫れを軽減する「ピエゾサージェリー」

親知らずの抜歯には、「難しいケース」と「簡単なケース」があります。
簡単なケースでは数分で処置が完了しますが、難しいケースでは「歯肉を切開」するなどの大がかりな処置が必要となり、治療後に「痛みや腫れ」が生じることがあります。

当院では、これらの症状を緩和するために「ピエゾサージェリー」と呼ばれる超音波機器を使用することがあります。

ピエゾサージェリーは、骨などの硬組織のみを切削できるため、血管や神経などの柔組織を傷つけません。治療後の痛みや腫れを大幅に軽減することが可能です。

術後の治癒を促進させる「PRGF」

親知らずの抜歯は生体に一定のダメージを与えますが、「PRGF」をはじめとする再生療法を用いることでその回復を早めることができます。

具体的には、患者さんの血液から「成長因子」を生成し、親知らずがあった場所に埋め込むことで、痛みや腫れの軽減、治癒促進の効果が期待できます。自身の血液から生成するため、拒絶反応やアレルギーのリスクはありません。

眠っている間に治療を終えられる「睡眠無痛治療（静脈内鎮静法）」5.5万円～

抜歯が不安な方には、睡眠無痛治療（静脈内鎮静法）を用意しています。
鎮静作用のあるお薬を点滴で投与し、ウトウトと眠ったような状態で治療を受けられます。全身麻酔と比べてリスクが少なく、ほとんどの方に適応できます。歯科恐怖症の方や、治療時の痛みが不安な方は、ご相談ください。